2012年5月1日火曜日

レコード センター サイトをデザインする (Office SharePoint Server 2007)


更新 : 2009-02-26

この記事の内容 :

Microsoft Office SharePoint Server 2007 のレコードを管理するには、サイト編集者とレコード管理者がレコード センター サイトを計画して実装します。このサイトは、レコード センター サイト テンプレートに基づくもので、ファイル計画を実装したり、保持中のレコードを管理したりするために使用できる機能が含まれています。

以下の 4 つの手順で、レコード センター サイトをデザインします。

  1. ファイル計画に基づき、レコードを保存するために必要なドキュメント ライブラリを計画します。

  2. レコードの各種類に対してメタデータを計画し、メタデータを含み、表示するための列をドキュメント ライブラリに定義します。

  3. レコードの種類ごとに、会社の規制上の義務を遵守する保持期間と監査仕様を定義するポリシーを計画します。

  4. レコードとなるようなアクティブ コンテンツの分析に基づいて、レコードの各種類をレコード センター サイトの適切なライブラリに対応付ける、レコード ルーティング テーブルを計画します。レコードがプログラムまたはユーザー インターフェイスによってレコード センター サイトに送信されるとき、ドキュメントをファイル計画内で分類する方法を判断するために、このテーブルが使用されます。

Office SharePoint Server 2007 のレコード センター サイト テンプレートは、レコードの管理と保持を実装することを目的としたものです。

標準の Office SharePoint Server 2007 機能と特殊なレコード管理機能を組み合わせることによって、レコード センター サイトは以下の機能を提供します。

  • レコード ルーティング   ドキュメントを [レコード センターに送信] コマンドなどの既定の方法か、またはプログラマブル インターフェイスを使用してレコード センター サイトに送信すると、レコードはその種類に基づく正しいドキュメント ライブラリにルーティングされます。この記事の「レコード ルーティング テーブルを計画する」で説明するように、受信レコードの種類と関連するドキュメント ライブラリとの相互関係は、レコード ルーティング テーブルで管理されます。

    レコードがレコード センター サイトに送信されるときに、レコード自体と共に別の情報も送信されます。この別の情報としては、XML ファイルに保存されるレコードの監査履歴、および XML ファイルとレコード センター サイトのメタデータの列の両方に保存されるすべてのメタデータが挙げられます。

  • ポリシーの適用   Office SharePoint Server 2007 には、レコード管理に便利な以下のポリシー機能が含まれています。

    • 監査   ドキュメントに対して行われたイベントと操作をログに記録します。レコード管理という点で、この機能は、レコード センター サイトの情報を参照したり、情報にアクセスしたりしたユーザーを記録するために便利です。

    • 有効期限   レコードの保持期間と、保持期間が終了した時点で行う、廃棄承認のワークフロー開始などの処理を指定します。レコード管理という点では、通常、保持期間はレコードがレコード センター サイトに保存された時点で開始されます。

    • バーコード   各レコードに一意のバーコードのグラフィックと数値を指定します。バーコードの値は、電子版のレコードと共に保存され、インデックス付けされます。レコード管理という点で、バーコードは物理的なレコードを保持および追跡するために便利です。ライブラリ内のレコードにハード コピー版がある場合、バーコードによってハード コピー版と電子版のレコードを相互に関連付けることができます。物理的なレコード保持計画の詳細については、「物理的なレコードの保持を計画する」を参照してください。


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  • プログラマブル インターフェイス   総合的なレコード管理ソリューションを使用することによって、組織内のあらゆるレコード ソースのレコードをレコード管理システムで処理することができます。レコード センター サイトのプログラマブル インターフェイスによって、ファイル、そのファイルに関連付けられたメタデータ、およびその監査履歴を、ビジネス プロセスの一部としてレコード センター サイトに送信する方法が提供されます。この方法を使用することによって、ファイルをレコード センター サイトに送信するようにすべてのドキュメント管理システムを構成することができます。また、レコードをそのメタデータ値に基づいて分類するなど、受信レコードの分類を拡張するようなモジュールを追加することもできます。

    レコードをレコード センター サイトに移動するためのインターフェイスを拡張すること以外にも、レコード センター サイトの別の部分を拡張することもできます。たとえば、組織独自の要件を満たすような追加のポリシー機能をデザインすることができます。

  • 保留   Office SharePoint Server 2007 のレコード センター サイトは、レコードの有効期限ポリシーを一時停止する方法を提供します。その方法には、レコード管理者が、指定したレコードの有効期限が切れて破棄されないようにするために、名前付きの "保留" を作成できる、保留という機能があります。たとえば、内部監査中または訴訟中は、関連するレコードを保留にすることによって、監査または訴訟が完了するまでは、出力することを要求される可能性のあるそれらのレコードを確実に利用できるようにすることができます。

レコード保持用のドキュメント ライブラリを計画するために、この計画ガイドでお勧めする最も簡単な方法は、ファイル計画に含まれるレコードの各種類ごとのドキュメント ライブラリを作成することです (「ファイル計画を作成する (Office SharePoint Server)」を参照してください)。たとえば、以下のファイル計画の例では、各レコードはそれぞれ、別個のライブラリに保存することができます。

レコード 説明 メディア レコードのカテゴリ 保持期間 廃棄 連絡先

401k 計画

従業員福利厚生計画の説明。

Web ページ

従業員福利厚生計画

X 年間

なし

Reshma Patel

保険計画

従業員保険計画の説明。

電子ドキュメント

従業員福利厚生計画

X 年間

なし

Reshma Patel

プレス リリース

自社製品とサービスに関する発表。

電子ドキュメント

広報情報

X 年間

アーカイブ

Molly Dempsey

新聞記事

自社製品とサービスに関するニュース。

印刷

広報情報

X 年間

アーカイブ

Molly Dempsey

ワークシートでの作業

レコード保持用のドキュメント ライブラリを計画するには、レコードの各種類の一覧を作成し、その各種類をドキュメント ライブラリに割り当てます。適用するポリシー、追加するメタデータの列など、ライブラリに関する情報を記録するには、ライブラリごとに Microsoft® Office SharePoint® Server 2007 レコード保持用ドキュメント ライブラリ ワークシート ( を使用してください。

レコード保持用のドキュメント ライブラリを計画したら、次の手順は各ライブラリに対して定義するメタデータを決定することです。検討するメタデータには、以下の 2 つのカテゴリがあります。


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レコードのメタデータを計画する

レコードのメタデータとは、レコードがレコード センター サイトに送信されるときに、レコードと共に送信されるメタデータのことです。ある種類のレコードに最適なメタデータは、そのレコードの種類によって決まるため、メタデータを決定するにはレコード管理者とアクティブ サーバーのコンテンツ管理者の話し合いが必要になる場合があります。あるレコードの種類に適切なメタデータが作成されて保存されることを確認したら、レコードと共にメタデータを保持するように、その種類のレコードの保存先ドキュメント ライブラリを構成することができます。レコードが保存先ドキュメント ライブラリに送信されると、以下のように処理されます。

  • レコードに関連付けられているメタデータの各列の名前と値は、保存先ライブラリに作成される非表示の _properties フォルダ内の XML ファイルにレコードと共に保存されます。

  • メタデータ値は、保存先ライブラリの対応する列にコピーされます。

ある種類のレコードのメタデータの各列について、受信列の名前と種類に一致する列を保存先ドキュメント ライブラリに定義します。列をレコードと共に送信する必要があること、および列にレコードに関連付けられたデータ値を持たせる必要があることを指定するには、Office SharePoint Server 2007 ユーザー インターフェイスで列がデータを要求するように構成します ([この列への情報の入力を必須にする] オプションを選択して指定します)。たとえば、ソース レコードに "1 行テキスト" の種類の "部署" 列があるとすると、保存先ドキュメント ライブラリにその名前と種類の列を定義します。

メモ

レコードが保持用に送信されたときに必要なメタデータが見つからない場合 (値が指定されていないか、または列全体が見つからないため)、送信者には、不足しているメタデータの入力を求めるメッセージが表示されます。メタデータを指定しないと、レコードは保持用に受け入れられません。ドキュメントが (ユーザー インターフェイス経由ではなく) プログラムによって送信された場合、ファイルは一時的な保留領域に置かれ、保存先ライブラリにレコードが追加される前にプログラムによって不足している列に関する情報が供給される必要があるという情報が、呼び出し側プログラムに返信されます。

追加のメタデータを計画する

保持されるレコードに関連付けられたメタデータの列を表示すると共に、レコード管理ドキュメント ライブラリに表示する別の列の情報を追加することもできます。たとえば、"レコード管理者" 列を追加して、チーム内でドキュメント ライブラリに保存されるレコードを管理する責任者の名前を表示することができます。レコードと共に送信される列の場合と同様に、これらの追加列を必須として指定すると、レコードの送信者には不足しているメタデータを入力することを求めるメッセージが表示され、そのメタデータが供給されない限りそのレコードは受け入れられない点に注意してください。送信者に追加メタデータの値の入力を要求するメッセージを表示しない場合は、列を必須データとして構成しないでください。

メモ

複数のドキュメント ライブラリで使用する列を定義することができます。手順は以下のとおりです。それらの列をレコード センター サイトに関連付けられた列テンプレート ギャラリーに作成することができます。


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ポリシーを計画する

情報管理ポリシーとは、コンテンツ タイプに対する一連のルールのことです。ポリシー内の各ルールは、"ポリシー機能" です。たとえば、情報管理ポリシー機能は、あるコンテンツ タイプの保持期間を指定したり、コンテンツに対するどの操作が監査対象となるかを指定したりできます。情報管理ポリシーを使用することによって、組織の情報にアクセスできるユーザー、ユーザーがその情報を使用して実行できる操作、およびその情報の保持期間を制御することができます。レコード管理システムのポリシーは、組織の規制上の義務を反映するように、レコード管理者によって構成される必要があります。

Microsoft Office SharePoint Server 2007 には、レコード センター サイトのレコードの管理に役立つ、以下のポリシー機能が含まれています。

  • 監査、レコードが正しく管理されていることを示します。

  • 有効期限、レコード センター サイトにレコードを保持する期間を制御します。

  • バーコード、物理的なレコードを追跡します。

また、レコード管理のニーズに応じて、レコードへのデジタル署名、レコードの固定形式への変換を行うポリシーなど、Office SharePoint Server 2007 には含まれていない独自のレコード管理に関連したポリシー機能を取得または開発することもできます。

レコード管理用のポリシーを計画する場合は、以下の 2 つの推奨オプションがあります。

  • たとえば、レコードの複数の種類が同じレコード カテゴリに属しているため、それらの種類のレコードに同じポリシーが適用される場合は、レコードの一連の各種類ごとに別個のサイト コレクション ポリシーを作成します。各サイト コレクション ポリシーを関連するドキュメント ライブラリと関連付けます。

  • あるレコードの種類にポリシー設定の一意のセットが必要な場合は、該当するポリシー機能をそのレコードの種類のドキュメント ライブラリに直接関連付け、そのライブラリに対してポリシー機能を適切に構成します。

    ワークシートでの作業

    ライブラリ用の Microsoft® Office SharePoint® Server 2007 レコード保持用ドキュメント ライブラリ ワークシート ( に、ポリシー構成に関する決定事項を記録します。

    • ドキュメント ライブラリに保存されているコンテンツのレコード カテゴリに基づいてサイト コレクション ポリシーとドキュメント ライブラリを関連付けるには、ワークシートの [ポリシー] セクションに、そのレコード カテゴリのポリシー テンプレートの名前を記録します。

    • 一意のポリシー機能を直接ドキュメント ライブラリに関連付けるには、ワークシートの [ポリシー] セクションに、各ポリシー機能およびその機能の構成メモを入力します。

レコード ルーティング テーブルとは、レコード センター サイトに送信される可能性のあるレコードの各種類を表示し、各種類のレコードの保存先ライブラリを指定する、レコード センター サイト内の一覧です。ファイルが [レコード センターに送信] コマンドまたはプログラマブル インターフェイスを使用して、レコード センター サイトに送信されるとき、受信ファイルを適切な場所にルーティングするためにこの一覧が使用されます。

レコード ルーティング テーブルの各エントリは、以下の内容を指定するレコード シリーズのリスト アイテムです。


  • レコード シリーズのタイトルと説明。レコード シリーズの名前は、現在のレコード シリーズ用のレコード センター サイトに送信できるアイテムの種類を示します。ファイルが Office SharePoint Server 2007 または Windows SharePoint Services 3.0 に基づいたサーバーからレコード センター サイトに送信される場合、その名前は、アクティブ レコードを保存しているライブラリ内のコンテンツ タイプ名と一致する必要があります。ファイルが別のソースから送信される場合、その名前は、プログラマブル インターフェイスを使用してそのファイル ソースから送信できるドキュメントの種類と一致する必要があります。

  • 現在のレコード シリーズのレコードを保存する場所 (ドキュメント ライブラリ)。

  • エイリアスと呼ばれる、レコードの種類の一覧。これらは、レコード センター サイトに送信できる、このレコード シリーズのレコードの別の名前です。たとえば、組織に複数の部署があり、基礎となる同じ種類のレコードをそれぞれ異なる名前 ("契約" や "合意") で使用している場合、同じ種類のレコードに使用される各名前に対してエイリアスを定義できます。

    レコードが Office SharePoint Server 2007 または Windows SharePoint Services 3.0 に基づくサーバーからレコード センター サイトに送信される場合、エイリアスはコンテンツ タイプになります。レコードが別のファイル ソースから送信される場合、エイリアスは、そのレコード ソースのプログラマブル インターフェイスで指定できる種類と一致する必要があります。

レコード ルーティング テーブルに含まれるレコード シリーズの 1 つは、既定のドキュメント ライブラリを指定する必要があります。レコード センター サイトがレコード ルーティング リスト内のエイリアスと一致しないファイルを受信した場合、ファイルは、レコード管理者が手動で処理できる、指定された既定の場所に移動されます。レコード センター サイト テンプレートには、初期の既定の場所として未分類のレコードのドキュメント ライブラリとレコード シリーズが含まれています。このレコード シリーズは既定のままにしておくことをお勧めします。

レコード ルーティング テーブルを計画する適切な方法は以下のとおりです。

  1. レコード センター サイトに作成した各ドキュメント ライブラリについて、レコード ルーティング テーブル内にエントリを作成することを計画します。

  2. レコード シリーズに、そのレコード シリーズを使用して保持するレコードの主な種類と同じタイトルを指定します。

  3. 組織内のアクティブ ドキュメントの分析に基づいて、現在のレコード シリーズに送信できる可能性があるすべてのコンテンツ タイプまたはその他のレコードの種類の一覧を取得します。これらの種類は、ファイル計画に記入する必要があり、それらの種類がレコード シリーズのエイリアスになります。たとえば、人事部のレコード センター サイトで、すべての年金計画、保険計画、および 401k プランを従業員福利厚生計画ドキュメント ライブラリに保持することを決定したとすると、これらのすべてのレコードの種類を従業員福利厚生計画ドキュメント ライブラリのレコード シリーズ エントリのエイリアスとして指定します。

  4. 既定として指定するレコード シリーズを決定します。

ワークシートでの作業

Microsoft® Office SharePoint® Server 2007 レコード ルーティング テーブル ワークシート ( を使用して、レコード ルーティング テーブルに作成することを計画している各レコード シリーズに関する決定事項を記録します。レコード センター サイト内のドキュメント ライブラリごとにレコード シリーズが必要である点に注意してください。

この記事では、展開の計画を補助するために以下のワークシートを使用します。



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